緊急遮断弁 “ＥＭシリーズ”
パイロット同期緊急遮断弁“ＥＭＶシリーズ”
(旧型番：AS-*, ASV-*)　（別名：落下防止弁，ヒューズ弁）　


製品の概要：
本バルブは，A→Ｂの流量が設定流量を超えたとき，自動的に閉止するものです．
本バルブのＢポート側に接続されたゴムホース・配管などが破損して，「ＡポートからＢポートの方向の流量」が増加した場合，自動的にその油圧回路を遮断します．
なお，ＢポートからＡポートへの方向の流れに対しては，フリーフローです．
最高使用圧力：３５ＭＰａ

（“EM-※”構造略図および外観ｲﾒｰｼﾞ）

使用例： シリンダに接続して、リフター等の落下を防止。


（作動原理）
ＡポートからＢポート方向に流れる流量が，調整ネジで設定された流量を超えると，上記の構造略図に示す（イ）室に流量抵抗が生じ，さらに（ロ）室の圧力もオリフィスを通じて（イ）室と同圧となり，（ハ）室の圧力よりも高くなる．したがって，スプールは，（ロ）室のバネに抗して（上図の）左方向に移動し，ＡポートとＢポートを遮断することになり，Ａポートからの圧油を阻止する．

（遮断流量の設定方法）
調整ネジを右に回すと遮断流量は減少し，左に回すと遮断流量は増加します．
調整ネジは，実機の使用最大流量で遮断しない位置までゆるめてから，遮断流量を設定後，ロックナットでロックしてください．
発注時に，遮断流量をご指定いただければ，弊社にて設定して出荷しております．
（例）　“EM-06T”の遮断設定流量が，毎分８０[リッタ]の場合，　型番は，“EM-06T-80”となります．
遮断流量は，使用流量の１．５〜２倍程度をご指定ください．




（使用上の注意）
　危険！
このバルブの設置・点検・交換等の場合は，安全を十分確保して行ってください．

１．　ポートを逆に接続しないこと．
２．　調整ネジは，調整後，ロックすること（設定流量が変化してしまう）．
３．　油中への異物混入なきこと．作動油は，定期的に点検すること．
４．　１〜２ヶ月に１度，このバルブの作動試験をされることをお勧めします．
５．　解除（リセット）方法：　本バルブのＢポート（即ち，ポンプ側）を加圧すれば（ポンプを回せば），本バルブは，解除（リセット）されます（本バルブを油圧装置に接続して作動試験する場合など）．
６．　推奨フルードは，一般作動油（油粘度：ＩＳＯ ＶＧ３２，または４６）です．
７．　本バルブの圧力損失は，僅少です．エルボなど配管材の圧力損失に準じます．

・バルブ本体材質は，“ＦＣＤ４０”です．
・標準シールは，ＮＢＲ（ニトリルゴム）です．
　リン酸エステル系作動油の場合は，シール（Ｏ−リング等）の材質を「フッ素系」にする必要があります．
　ご発注時にオプションの“−Ｆ”を付加してください．

・"EM-**F"用フランジキット（別売）を用意しております（キット内容：フランジ２個，ボルト８本，O-リング２個）．


【外寸図　(JPG)　】
"EM-03T"　外寸図 JPG 　　（旧型：AS-03T　外寸図,JPG )
"EM-06T"　　”　　　”　
"EM-06G"　　”　　　”　
"EM-06F"　　”　　　”　
上記以外の型番の画像ファイルが必要な場合は，ご請求ください．

■複数のシリンダを同時に緊急遮断する場合は，下記の“EMV-***”（パイロット同期タイプ）を用意しております）．
【EMV-※シリーズ】
“EMV-※シリーズ”は，“EM-※シリーズ”に「パイロット同期機能」を付加したバルブです．
複数のアクチュエータを使用する場合，そのなかの１台の“EMV-※”が作動した直後に，
他の“EMV-※”もパイロット配管によって作動し，Ａポートからのフルードの流れを遮断することができます．
作動原理・取扱方法・取扱上の注意は，“EM-※シリーズ”に準じますが，EMV-シリーズにつきましては，
パイロット配管（ＰＰポート間）は，金属配管で行ってください（ゴムホースは，パイロット圧力を吸収してしまいますので，
他方の“EMV-※”を同期作動させることができません）．
また，パイロット配管の長さは，５メートル以内程度が限度です．
パイロット配管については，「エア抜き」を十分に行うことが必要です．



（“EMV-※”構造略図）


（“EMV-※”接続例）

・バルブ本体材質は，“ＦＣＤ４０”です．
・標準シールは，ＮＢＲ（ニトリルゴム）です．
　リン酸エステル系作動油の場合は，シール（Ｏ−リング等）の材質を「フッ素系」にする必要があります．
　ご発注時にオプションの“−Ｆ”を付加してください．
・"EMV-**F"用フランジキット（別売）を用意しております（キット内容：フランジ２個，ボルト８本，O-リング２個）．